BEST ALBUMS OF 1996
BECK 「O De Lay」

ロックの可能性をさらに大きく広げたとんでもない大傑作!この作品を耳にした当初、これが売れてるなんて全く信じられなかったほど、個人的には新鮮というより得体の知れないものでとっつきにくい音でした。おもちゃ箱をひっくり返したようなハチャメチャな音だったのに。聴き込んでいくとあら不思議。「ロック!」以外に形容する言葉が見つからない。飛びぬけた芸術性を持ちながらも多くの人を魅了する。これほどの才能があるならばデヴィッドボウイをも越えれるはず。もう一度「Odelay」の夢がみたい。天才は忘れた頃にやって来る!?でもこのodelayの衝撃は忘れたくても忘れられない。ベック頑張れ〜。

GASTR DEL SOL 「Upgrade & Afterlife」

ガスター・デル・ソルは、シカゴ音響派を代表する才人、ジム・オルークとデヴィッド・グラブズによるユニット。整合的で全く迷いのない実験音楽はもはや実験というべきではなく、完成されたポップミュージックになっている。ジムオルークはどれだけ前衛的でもその作品には一貫して彼特有の優しさとぬくもりが感じられる。形はどんどん変わっていこうがそれを形容するとき、常に〜節と呼ばれるような個性を持ったアーティストはやはり素晴らしい。敷居の高い作品だったのか今ではもう廃盤になり入手は困難にある模様。中古屋さんで見つけたら迷わず買うべき!

Aphex twin 「RICHARD D. JAMES ALBUM」

この作品、ジャケットのイメージも相まってどこか狂気じみた印象を与えがちですが、中身は楽しいくらいポップで耳あたりがよく、これまでテクノに全く縁のなかった人にも是非オススメしたいです!楽曲の完成度が恐ろしいほど高く賞味期限が一向に来ません。でもこの人って絶対計算して音楽を作ってないと思う。本能のおもむくままに才能を爆発させている。やっぱりこのジャケまんまの音かも

Squarepusher「Feed Me Weird Thing」

上の怖い顔に続き、これほどの鬼才がまたもや出現するとは!スクエアプッシャーことトム・ジェンキンソンの衝撃的なデビューアルバム。トムの初期衝動が詰まった超高速ブレイクビーツがたまりません!やはり彼の出現後お決まりのファロワー増殖が起こりましたが、何かを最初に始めた人の音っていうのは不自然さが全くなく、古さを感じさせないです。
形だけ発展させたように見せかけてる根のない不自然な音楽は要らないですよね。

DJ SHADOW 「En dtroducing」

アブストラクトヒップホップの金字塔!ヒップホップはたとえリリックはなくともラディカルでリスナーの心を揺り動かす素晴らしい音楽だということがよく分かります。使っている音そのものは陽気な類のものなのですが、全体を被う雰囲気はまるで逆。むしろ不穏で内省的、マッシヴアタックやポーティスヘッドに通ずるような陰のトリップ感があり、それでいてビートの快楽に身を任せることが出来る。実はこれ聴くまでDJなんとかっていう人たちに胡散臭い先入観を持っていました。だってモリッシーが「DJを吊るせ」なんて歌うから。ごめんなさい。シャドウはロックです。
Kura Shaker 「K」

そのちょっと線の細いグルーヴが世界中を巻き込んだ、クーラシェイカーの記念すべきデビューアルバム。湧き上がった衝動的な感覚を演奏へつなぎ、いかにアルバムに封じ込めるか。どのバンドもやっきになって試みてることだと思うけど、やっぱり今ひとつ。だってどこか強引で無理やりに「ノリ」を演出しているように聴こえるから。ツェッペリンやローゼス、そしてこのクーラシェイカーのすごいところはグルーヴを自然に体得してあって、鳴らせてしまうところ。ストーンローゼスの正統後継者ともてはやされた彼らだが、ローゼスと同じく2ndアルバムを発表した後解散してしまう。ザ・ミュージックはそうでないことを祈ります。
The High Llamas 「Hawaii」

ゆったりまったりとしたやたらマイペースな楽園ムードの曲調。こ、これで29曲も続くの!というありがちな不安は最初の数曲で吹っ飛びました。とにかくメロディの聴かせ方、展開、トータル感、どれをとっても完璧。そんな確かな作曲能力に裏打ちされた上で「個」が光る作風はこの先何年経っても風化はしないでしょうね。休日に何もしないでぼんやり過ごしたいときにはうってつけのBGM

R.E.M 「NEW ADVENTURES IN HI-FI」
世界的に知られるビッグバンドですが、なぜかここ日本では人気は今ひとつという彼ら。なんででしょ?こんな名曲だらけのアルバムを何枚も世に出してるというのに。賛否ある作品ですが、過酷なツアーによる疲弊、迷いや焦燥感をかかえながらも、それでも突っ切っていくバンドのありのままの姿が垣間見れてちょっと感動的です。世界を相手にするというのはこういうことなのか。REMというバンドのあまりの大きさに心を打たれる名作。
STEREO LAB 「EMPEROR TOMATO KETCHUP」

一般的には最高傑作との呼び声高い5作目のアルバム。アルバムごとにカラーが違うのでファンの中でもどれがいいかは意見の分かれるところ。ステレオラブの名と音響ポップという音楽を世界中に知らしめた上でもこれは最重要作品だと言い切れます。初期の作品群も個人的には好きです。

ベストライブアルバム

NIRVANA FROM THE MUDDY BANKS OF THE WISHKAH

ニルヴァーナはやはり偉大なバンドだった。彼らのライブ盤はこの1枚のみの発表だが、カートの死後数年足らずで既に世界中に存在していたNIRVANAマニアをも唸らせるかなりマニアックな音源をベースのクリスが選出している。明日のことなんて一切頭にないようなそれこそ命がけの演奏を連日連夜やっていたにもかかわらず、「音楽をプレイするのが楽しくて楽しくてしょうがない!」というカートの音楽に対する情熱がこの音源からは伝わってくる。そりゃそうだろう。晩年の悲痛の面持ちでステージに上がっていたカートを間近で見ていたクリスにとって、演奏を心から楽しんでいるカートしか思い出したくないはずだ。ファンだってそう。だからライブ登場初期のレアヴァージョンが多いこういうマニアックな選曲になったんだろう。「NEVERMIND」ではその持ち味を殺されていた名曲の数々がこのアルバムでは命を与えられ所狭しと暴れまわっている、まさに「LIVE」だ!クリスはこのアルバムを作る為に100時間以上にも及ぶ膨大なライヴ音源に耳を通したという。それも聴きたい。






ここに紹介し切れなかった勝手に表彰すべきその他の大名盤

WEEZER「ピンカートン」

UNDERWORLD「二番目のタフガキ」

TORTOISE「Millions Now Living Will Never Die